ビジネスやアカデミックな知識・体験を共有するため、開催される「MICE（マイス）」。

近年は観光による地域創生の面から注目を集めているビジネスイベントです。

 

今回は、MICE（マイス）とは何か、MICEに該当する活動やメリット・デメリット、開催方法について解説します。さらに、日本におけるMICEの動向や事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

MICE（マイス）とは？

MICE（マイス）とは、Meeting（ミーティング）、Incentive Travel（インセンティブ トラベル）、Convention（コンベンション）、Exhibition（エキシビション）の4つの頭文字からとった造語であり、ビジネスや学術分野における知識や経験を共有する目的で多くの人が集まるビジネスイベントのことです。

 

MICEを開催することで国内外からたくさんの人が集まるので、国や地域の活性化や競争力の向上につながるというメリットもあります。

MICEに該当する活動

MICEに該当する活動は、以下の通りです。

 

• Meeting（ミーティング）
• Incentive Travel（インセンティブ トラベル）
• Convention（コンベンション）
• Exhibition（エキシビション）

 

上記4種類の活動について具体的にご紹介します。

Meeting（ミーティング）

Meeting（ミーティング）とは、企業・団体が特定の目的を設定し、その関係者を集めて行う会議のことです。

 

具体例としては、以下の活動が挙げられます。

 

• 社員総会・キックオフミーティング
• 社員旅行・運動会
• 株主総会
• 採用イベント

 

上記のように、社内外どちらのイベントもMICEと言えるでしょう。

Incentive Travel（インセンティブ トラベル）

Incentive Travel（インセンティブ トラベル）とは、企業・団体が成績優秀な社員や代理店などを対象に、褒章を目的として提供される旅行です。プレミアムな体験を提供することで、参加者の意欲向上やチームワーク醸成が促進され、組織力強化や販売促進につなげることができます。

Convention（コンベンション）

Convention（コンベンション）やConference（カンファレンス）とは、国際機関・団体・学会などが主催または援助する会議です。

 

具体例としては、以下のような活動が挙げられます。

 

• IMF・世界銀行総会
• 国際幹細胞研究会議
• APEC貿易担当大臣会合

 

医学やテクノロジーなど、学術分野における知見や情報の共有・発表が行われており、首脳会談やサミットも該当します。

Exhibition（エキシビション）

Exhibition（エキシビション）とは、国際機関・団体・学会・企業などが主催や援助を行う展示会やイベントなどです。

 

具体例としては、以下の活動が挙げられます。

 

• 東京モーターショー
• オリンピック
• 東京国際映画祭

 

国際見本市や博覧会などからスポーツイベントまで、多岐にわたる催し物が該当します。

MICEを行うメリット4つ

MICEを行うメリットは、以下4つが挙げられます。

 

1.ビジネスイノベーションの促進につながる

2.国や地域の活性化が見込まれる

3.国や地域の競争力が高まる

4.レガシー効果が期待できる

 

上記4つのメリットについてご説明します。

ビジネスイノベーションの促進につながる

MICEを開催することで、ビジネスイノベーションの促進につながるでしょう。国内外から様々な人が集まるため、ネットワーク販路拡大や世界的研究者との交流創出、さらに共同研究の機会など、新たな価値が創造される可能性があります。

 

さらに、技術力や商品・サービスに対する認知拡大が達成されることで、ブランディングの向上や企業・団体における競争優位性の向上も見込めるでしょう。

国や地域の活性化が見込まれる

MICEの開催により、主催者や参加者などの消費支出が発生するため、国・地域の活性化を見込めます。

 

MICE参加者は、会議開催や宿泊、飲食や観光など幅広い面から消費活動を行ううえ、滞在日数も長期間になることが多いので、一般的な観光よりも高い経済効果が期待できます。これにより、閑散期の集客や雇用創出の機会にもつながるので、国はもちろん各地域でもMICE開催を積極的に支持しています。

国や地域の競争力が高まる

国や地域の競争力が高まることも、MICE開催によるメリットでしょう。多様な人材が集まることで、人や情報の流通、ネットワークの構築などが生まれるため、各ビジネスの向上によって国や地域の競争力強化につながります。

 

また、MICE開催の誘致に向けた国や都市の多様な取り組みにより、各地域のブランド力向上も見込めます。

レガシー効果が期待できる

MICEの開催は、長期にわたってポジティブな影響を与える「レガシー効果」が期待できます。MICEで見込まれるレガシー効果の例としては、以下の通りです。

 

• 新しい市民活動
• 地元に対する愛着の高まり
• 交通インフラ・自然環境・治安の改善
• 売り上げの拡大
• 新しいビジネスパートナーとの出会い
• 新商品の開発
• MICE開催ノウハウの蓄積

 

このように、MICEは経済波及効果以外にも幅広い面においてメリットが考えられます。

MICEを行うデメリット

MICEを行うデメリットは、以下の通りです。

 

• コストがかかる
• 環境への影響
• 地元住民との摩擦

 

MICE開催に向けて、企画立案や会場の選定、設備の準備や当日の運営など、様々なコストがかかります。

 

また、大規模なイベントの開催により、CO2排出量などの環境への影響や、交通渋滞・騒音などによる地元住民との摩擦が起こる可能性もあるので、十分な配慮が必要でしょう。

MICEの開催方法とは？

MICEの開催方法としては、以下2つが考えられます。

 

• 各国や各地域で開催する
• オンラインで開催する

 

上記2種類の開催方法について解説します。

各国や各地域で開催する

MICEの代表的な開催方法は、各国や各地域でのオフライン開催です。対面でのコミュニケーションが可能なオフライン開催であれば、ニュアンスや空気感も伝達しやすく関係構築にも役立ちます。

 

開催地を決める際は、イベント内容に伴い、企業と関連性の高い場所や施設・プログラムの充実度、アクセスのしやすさなどをもとに決定しましょう。

オンラインで開催する

コロナ禍に伴い、MICEのオンライン開催も増加しています。場所を選ばず開催することができるため、参加者が集まりやすく、コストや準備の手間を削減することが可能です。

 

ただ、対面での開催と比べて参加者同士の交流が難しかったり、ITリテラシーが必要だったりという課題もあるため、「オフライン開催と併用する」などの工夫が求められます。

日本におけるMICEの動向とは

日本におけるMICEの動向として、下記3つをご紹介します。

 

• 日本の国際会議の開催状況
• ユニークベニューの活用が注目されている
• SDGsに関連したテーマが増加している

日本の国際会議の開催状況

JNTOの調査によると、2023年に日本で開催された国際会議の件数は、前年の2.5倍である1,376件、参加者数は3.1倍の102万人であり、コロナ禍からの堅調な回復が見受けられます。

 

また、対面とオンラインを併用したハイブリッド国際会議の開催件数は、前年の1.5倍となっており、新しい開催方法が増加傾向にあります。政府は、日本へのMICE誘致・開催へ積極的に取り組んでいます。

 

取り組みの1つとして、海外競合国・都市との厳しい誘致競争に打ち勝つため、下記12都市を「グローバルMICE都市」に認定し、支援を行っています。

 

• 札幌市
• 仙台市
• 東京都
• 千葉市
• 横浜市
• 名古屋市
• 大阪市
• 神戸市
• 京都市
• 広島市
• 福岡市
• 北九州市

ユニークベニューの活用が注目されている

MICEの開催にあたり、特別感や地域性を演出できる「ユニークベニュー」と呼ばれる会場の活用が注目されています。ユニークベニューでは、参加者に唯一無二の体験をしてもらえるうえ、その土地ならではの風情を演出できるため、参加者の呼び込みや話題性につながりやすいです。

 

該当施設としては、博物館・美術館や歴史的建造物、神社仏閣などであり、例として「迎賓館赤坂離宮（東京）」「京都二条城（京都）」といった会場が挙げられます。

SDGsに関連したテーマが増加している

MICEでは、サステナビリティへの関心が高まっていることからも、SDGsに関連したテーマが増加しています。さらに、テーマとして取り上げるだけではなく、環境負荷を軽減できるようなイベントの開催も推奨されています。

 

例えば、東京や沖縄では、MICE開催におけるサステナビリティガイドラインを作成しており、具体的なアクションにつなげているのです。

MICEの事例

ここからは、MICEの事例を2つご紹介します。

大阪・関西万博

2025年大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに開催されている国際的なイベントです。世界最先端の技術の体験や各国の文化を楽しめるうえ、SDGsをはじめとする社会的な課題を改めて考えさせられる内容となっています。

 

下記記事では、大阪・関西万博について詳しく紹介しているので、ぜひこちらもご覧ください。

大阪・関西万博人材派遣のお仕事内容とパビリオンを紹介

2024年沖縄合同大会（SPNHC-TDWG 2024）

2024年沖縄合同大会（SPNHC-TDWG 2024）は、「地域能力の増進、国際標準の向上」をテーマに開催された国際会議です。アジアでは初めての開催となり、生物多様性データの標準を次のレベルへと押し上げることを目指し、ワークショップなどが実施されました。

まとめ

今回は、MICE（マイス）とは何か、MICEに該当する活動やメリット・デメリット、開催方法などについて解説しました。

 

イベント企画運営・人材派遣会社「ワンコンシスト」では、MICEをはじめとした大規模なイベントのサポートをお任せいただいています。

 

目的に合わせて企画から運営を一気通貫でご対応させていただきますので、MICEの開催に向けてお悩みの方はお気軽にご相談ください。

 

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